収納マップとは

新築・リフォームで収納を増やしたのに片付かない、何度片付けてもすぐ散らかるのはなぜでしょう。
収納や片付けに興味はあるし、キレイに暮らしたいと思っていたのに実現出来ないで悩まれている方が多くいらっしゃいます。

これは、住まい手の片付けが苦手という性格的な問題もあるかもしれませんが、家づくりの際に自分の持ち物を詳細に把握できていないことに加え、モノについて聞かれることもないため住む人の動線と持ちモノにあった家がつくられていないからです。

片付けやすい家をつくるには、住む人にしか分からない情報を建てる側へキチンと伝えたうえで間取りを提案してもらう必要があります。 引っ越すまで提案されている間取りや収納が我が家の暮らしにあっているのか分からなければ、一生後悔するかもしれません。

暮らしの見える化をするために、収納マップを考えました
収納マップとは、間取り図の上にモノの居場所と人の行為を書き込んだ地図のことです。

モノの住所と使うための道順を間取りが決定する前に決めてあげることで、安心して家づくりをすすめられます。

家を建てた後に収納や間取りに後悔するのは、行き当たりバッタリで出かけて到着先が目的地と違ったと気づくようなことかもしれません。

片付けや収納についての情報は沢山ありますが、習慣や持っているモノは人それぞれ違います。
なので、収納マップを書いて自分たちの理想とするゴールへすすみましょう。

収納マップを考案したきっかけは、整理収納コンサルティングの仕事をはじめてお客様の家へ足を踏み入れると、こだわって建てた素敵な家が片付いていません。驚くことにそんな家が沢山あるのです。
現状を見ながらコンサルティングをしていると、収納へ入れるモノを後から考えていることが原因だと分かりました。 わたしは、自宅の引っ越しやリノベーション、注文住宅の度に、事前に持っている物を書き出して収納先を計画していました。
誰かに教わったのではなく自然とやっていたので誰もがしていることだと思っていましたが、一般的ではなかったようです。

時々わたしと同じようにモノを書き出して家づくりしている方にお会いすると、使い勝手のいい収納や間取りを提案されていますので、早めに収納へ入れるモノを決めることが重要ポイントです。

そこで、私自身の行っていた間取り図を使って持ちモノ全てに置き場所を決めるノウハウを、誰もが簡単にできるよう収納マップ®の形に体系化しました。家づくりの収納コンサルティングでも大変ご好評いただいております。

収納マップを作れば、収納のトリセツを持つようなものなので後は地図にあわせてモノを収めていくだけです。

家づくりは予算、性能、設備と決めることが多いので、収納は自分から詳細に希望を伝えなければ標準的な仕様になりがちです。
人によって生活動線が変わってきますので、家を作る際は早い段階から設計側に要望を伝えることが大切なのです。

ちょっと棚の奥行きが変わるだけで使いやすさ、収納のしやすさは全く変わります。
難しい技法ではないので、ぜひみなさんの家づくりに収納マップを役立ててください。

収納マップ考案者 「はれやか収納マップ」著者
川島マリ

収納マップ制作についてご協力頂いたみなさま

収納マップを思いついてから完成するまで2年半以上かかりました。
整理や片付けが苦手で持っているモノも分からない方が、自分で楽しく書けるようにするには…どう作ったらいいのか悩みました。
そこで、「心地よく住む研究会」メンバーの里舘友子さん、日浦弘子さん、伊藤美佳代さん、中島麻樹さん、福永恵さんに協力をお願いして、知恵を頂き何度も検証を重ね、誰でも簡単に書き出せる形になりました。
また、収納マップを使った注文住宅を、1級建築士の斎藤絵美さんがお客様と一緒にモニターになって完成してくださいました。
「はれやか収納マップ」の書籍は、「変えようにっぽんの家づくり」をスローガンにされている新建新聞社より家づくりの収納提案へ活かせると出版いただきました。
私ひとりでは、完成出来なかった収納マップを形にしてくださったみなさまに心より感謝申し上げます。
「日本の住宅収納を使い勝手よくしたい!」と、全員の思いを込めて完成した収納マップです。
収納マップが、「毎日はれやかな気持ちで過ごせる家」づくりに役立てて頂けたら嬉しいです。

<心地よく住む研究会 / 収納マップ制作プロジェクト>
川島マリ、里舘友子、日浦弘子、伊藤美佳代、中島麻樹、福永恵